接触
パトリシア・コーンウェル著
相原真理子訳
講談社文庫
定価 762円+税
ISBN4-06-263659-x
1997/12刊行
ミミカ 評
1998/3/20
メロドラマのささやき
検死官ケイ・スカーペッタ・シリーズの第8弾。シリーズものの愉しさは、なんといっても、登場人物といつのまにか知り合い化してしまうところにあると思う。「ケイの新作まだ翻訳されないのかな?」とか、「今回、バンダー(指紋検査官)が出てたよ」「私はウィンゴー(検死局解剖助手)が好き!」とは、私と友人との会話である。親しげに、ケイなどと呼びつけにするのも、人物に魅力があればこそなのだ。
今回は、ゴミ廃棄場で胴体だけの死体が発見されることから物語は始まる。犯人しか写せないはずの切断された手足の写真を電子メールでケイに送りつけるdeadoc(死のドクター)とは、いったい何者なのか? 科学捜査の最前線、コンピュータ、ウィルスなどさまざまな趣向で読者を楽しませてくれる。最後には、意外な犯人が・・・。
また、事件と同時に進行する恋愛劇。相手のウェズリーは以前は妻帯者で、いわゆる不倫関係だったのだが、彼の妻に他に好きな人ができて、7作目と8作目の間に(?)離婚していた。で、今の状況はというと、彼はケイとの結婚を望んでいるが、彼女はなかなか踏み切れない、という・・・。おおおっ! なんじゃ〜、なんというメロドラマ的な展開になっているんだ! とはいえ、これはこれで笑えて、なかなか楽しかったりする。
書評INDEXヘ