日本の小説
生島遼一 著
白目書院
65圓
あらいぐま 評
1998/3/31
ボーヴォワール、スタンダール、フロベール、デュマ、プルースト、ラディゲ、ジイド、ルソー等々、フランス文学の名訳で知られる著者による日本文学論である。
書き手の品性が問われるような安易・軽薄な文学論・文芸批評に囲まれている今日こそ、半世紀前のこの著作に接する必要があると思うのだが・・・。
「あとがき」で筆者が次のように述べている。極めて印象的、また極めて刺激的な言葉であろう。
「文学を研究し、その歴史を書き、注解し、批評することも立派な仕事である。しかし、作品を丁寧に読み、しならくはその作品と二人きりでいる心になる、そういう読者がいなければ文学ということも無意味なことになると思う」。
目次を掲げておこう。
・竹取物語の美しさ
・宇治十帖―私の読んだ『源氏』―
・今昔物語と堤中納言物語―短編小説の伝統―
・近世小説―西鶴―
・雨月と八犬伝
・鴎外・漱石・独歩
・『家』と『つゆのあとさき』
・谷崎潤一郎論
・秋声小論
・日本の小説と西洋の小説
・あとがき
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