南陀楼です。 本日6時から飯田橋で行なわれた、「投げ銭ワークショップ」第2弾に出席して きました。 パネラーは、松本さん、富田さん、浦安図書館の常世田さん、ルポライターの 北村さん。 全部で80人ぐらいは来てたのでは。今回は前回と違い、出版関係のヒトの 顔が良く見えました。「本の学校」でのアピールが効いたのでしょうか。 このML関係者では、萩野さん、及川さん、九州龍谷大の田中岳文さんが いらしてました。 第1弾では、「投げ銭」の理念とはどういうことかが中心に話し合われ、僕と しては会場のヒトは置いていかれた感じが強かったのですが、今回は会場 からも活発な意見が出て、おもしろかったです。 偕成社の今村さんが云った著作権の件、『本とコンピュータ』の仲俣氏が云った 有料図書館とマンガ喫茶の違い、どれもいろんな話に発展しそうですね。 図書館の方が、デンマークやスウェーデンの図書館と作家保護について説明 してくださったのも、判りやすかった。 時間がなくて、パネラー同士で討論できなかったのは残念。 最後に(名前を言わなかったヒトが)出版流通の側からの意見も欲しかったと 云ってましたね。 本来なら、「本の学校」第5分科会でやってもよかったようなテーマだと思います。 常世田さんが市民のための図書館サービスという「公」の立場で話をされたのに 対して、富田さんが「私」の立場で、あるべき出版・図書館の姿を考えていくと云 われたのに共感しました。 ただ、時間のせいもあり、ややおっしゃり方が性急でした。だもんだから、「私」 (=富田)の描く将来像が全てであとは切り捨てていいかのように聞こえてしまった のは、残念。 北村さんとしては、反発したくなったのだろうなと思いました。 じつは、「私」(=富田)ではなく、「私」(=個人)としての将来像であって、建 前で 公共サービスだのなんだの云っておいてナニも改革しない「公」よりは、各人が 「私」としてやれるところから変革をしていくべきだという発言だったと思います。 もし時間があったら、僕も少し発言したかったです。 北村さんが懸念されるように、インターネットはインターネットだけで発展し、 ほかのインフラやルートを切り捨てるものではなく、電子化することで多様性が 保証しやすくなる(はず)だと思います。 その実例として適当かどうかは判りませんが、『本とコンピュータ』では11月に はじめるオン・デマンド出版の企画の第1弾に、青空文庫の本を入れました。 電子化された膨大なコンテンツからセレクトし、そこに新たな原稿を入れることで、 紙と電子をつなぐような本になればイイと思っています。 ナンにしろ、パネラー同士の対話の時間がなかったせいで、それぞれ原理的な発言 に聞こえてしまったのは、惜しかった。 僕は、休憩時間に萩野さんが、一冊しか置いてなかった北村さんの本をいち早く 買っちゃったのを見たんですが、「ああ、このヒトにはかなわんなあ」と思いました ね。 原理も云うけど、紙の本も買う、みたいな身の軽さに。 (もちろん、富田さんだってそうなんだけど) あと、仙台から鳥取に戻る途中の及川さんが、早稲田の古書店街でヤマほど古本を 買い込んでいて、自分がやった校正の確認用に『上田敏著作集』を買ってたことと か。 そういう一つところに固定しない態度こそ大事という気がします。 長くなりました。間違いがあれば失礼。 松本さん、お疲れさま。 二次会での話が気になります。 次回もゼヒやってください。 南陀楼綾繁
例によって勝手な所感ですが、簡単に送信しておきます。 まず大盛況といってよい入りでした。 テーマが前回よりは狭かったし、平日の夜でしたので、 前回よりは小さな部屋にしようか、と松本さんも考えていた そうですが、前回と同じくらいの入りで(約60名、でしたっけ?) 座席はいっぱい、というかんじでした。 やっぱり関心があるテーマなんでしょうね。 参加者の質は前回とはやっぱり異なるようで、出版社や図書館 関係者が多いのはあたりまえとして、NPO関連の方々も複数 参加されていたうようでした。時間はだいぶ遅かったのですが、 2次会も前回を上回るくらいの人数の方が参加されました。 (ひつじチームも人数が多かったようなきがしますが) さてワークショップの内容ですが、「不完全燃焼」という声と 「面白かった」、と言う声と2通りあったような気がします。 (結局、不完全燃焼だったけど面白かった、と言うことかな) パネラーが図書館・青空文庫・ルポライターという全く違った 立場で、現実的に利害関係がある(あるいはそう思われている) 方々だったので、それぞれの立場からの見解を述べるという ことに、予想以上に時間がかかったような気がします。 面白い、ということでは、ほとんど知らなかった公立図書館の 事情や、青空文庫さんの運営の舞台裏、自転車操業しながら 自分のテーマを追いかけるルポライターの仕事、というような 話を聞けたのは収穫でした。 それも三者それぞれが、お互い大変だよねー、というような感じ ではなく、「長期的には図書館はほとんど必要ないんじゃないか」 (富田さん)、「私たちになぜ公立図書館は無料で本を貸すのかと 聞くのは、地下鉄の運転手になぜ飯田橋に停まるのか、と聞くの と同じだ」(常世田さん)、「青空文庫も便利だとは思うが、原稿料が もらえなくては食べて行けない」(北村さん)...あまり正確ではないし 文脈を無視した引用なので、問題があるかもしれませんが... というような、本音の部分を聞けたのは、面白かったと思います。 不完全燃焼、というのは、実はそういう立場の主張、ということが 一通りなされた後で、それでは何が真の問題なのか、投げ銭は そういう状況にどう役に立てるのか、というところまでは議論が いかなかった、ということです。フロアからの投げかけも、 橋本さんや仲俣さんなどそういう議論に近い投げかけもあった のですが、結局時間切れということでした。 以上、分かったような分からないような主観的な報告ですが。 2次会で松本さんが、(たぶん初回も同じことをおっしゃったと 思いますが)「議論の編集能力がなくて。(本論に到達しなかった)」 と反省されていましたが、とにかくこれだけの人が興味を持ち、 議論百出するようなパネラーを集めることも、もちろん編集能力で あります。 最終的な所感として、まずさまざまな立場のギャップをはっきりさせる ところから始めるしかないのだろう、という感じと、だから、ここから 議論を続けて行くことが大事だなあ、と思いました。 運営・参加者のみなさん、お疲れさまでした。 湯澤 太郎 Yuzawa, Taro 科学技術融合振興財団 普及啓発事業担当 Foundation for Fusion Of Science & Technology宇野太郎さん
先日参加させて頂きましたワークショップにつきまして、遅れ馳せながら アンケートにお答えしたいと存じます。まずは、運営の方々、どうもご苦 労様でした。 (1) 運営について 今回のワークショップが初の参加だったので、前回との比較などはできま せんが、時間が短すぎた感がします。どれほどの人数が参加するのか想像 できなかったのですが、ライターの方や出版社の方々など、非常に多くの 人間が注目している訳ですから、もう少々時間があれば、様々な議論が行 えたでしょうし、必要ではないかと思われます。もちろん、インターネッ トを介すなどして、議論の場を補完することも考えておられるのでしょう が。 会場内に展示してありました、新聞記事のスクラップ等は、大変参考にな りました。 (2) 助力について 具体的にはどのような助けを必要とされているのでしょうか? 私は学生 なのですが、もちろん暇が許す限り、私ができることであればお手伝いさ せていただこうと思っております。 (3) 全体の感想 初めにお断りしておきますが、私が「投げ銭」について知ったのは比較的 最近のことで、理念や目的は理解しているつもりですが、その具体的な実 践に絡む様々な問題については知識が浅いということを前提に、感想を述 べさせていただきます。 今回のワークショップで挙げられた問題提起としては、公共図書館の理念 とともに制度のあり方、情報発信者(書き手)の抱える問題、出版制度の あり方、を再検討しようというものだと思います。 公共図書館については、常世田さんや図書館関係者の方の発言から多くの 議論がありました。書き手については、「本」という媒体にこだわりを持 ち続ける北村さんが、ライターとして抱える問題点は挙がりました。しか し、インターネットでも情報発信を行なっている書き手側の論点が欠けて いたと思われます。そして、フロアーの方からの発言にもありましたよう に、松本さんの著書や「書評HP」にもありますが、現在の出版制度につ いての問題点も詳しく検討される必要があるのでしょう。 これを踏まえまして、市民のための知的インフラを整備するという視点に 立つならば、情報を発信する市民と受信する市民を、今後どのように取り 囲んでいくかが問題です。私たちがどのような情報をどのような形や手段 でもって欲しそして作りたいのか。このことについてもっと知ることが必 要なのでしょう。常世田さんもこのようにおっしゃっていましたね。 以上、いかにも学生的な態度で、何か具体的で実践的な提案を出せません が、「投げ銭」が多くの問題を提起し議論する場として、今後ますます展 開することを支持する一人として、応援させていただきます。 (4) HP上の公開について 本名での公開は構いません。メールアドレスは非公開でお願い致します。 宇野太郎