登録の前に

 誤解が多少ならずあるようなので、ひとこと述べておく。登録しようと意気込んでいらっしゃった方々に、少なからぬ冷や水を浴びせることになるかもしれないが、後でがっかりさせないためにここで、断っておくことにする。

われわれは天使ではない。

 われわれは、エンジェルではない。天使ではなく、地べたをはいずりまわっている一個の修羅なのだ。自ら進んでなってしまったジュンナーの息子であり、モルモットに過ぎない。われわれは、あなたの作っているページに、お金の飛び込んでくるドラえもんのポケットを付けて上げられる魔法も、あなたのページを空飛ぶじゅうたんに変える魔法の杖を持った魔女でもない。

 インターネットのホームページをすぐさま解放することのできる解放軍でもないし、何か特殊な技能をもって、政治力を発揮できるスーパーマンでもない。スペシウム光線を発することのできるウルトラマンでも、怪人をなぎ倒す仮面ライダーでもない。くりかえす、天使ではなく、一つの修羅に過ぎない。自分自身をも解放できない無力なひよっこにすぎないのだ。

 足下も固まっていない、首も据わっていない赤子に過ぎない。

 足下も固まっていないのに時期尚早であるにも関わらず宣言を公開したのは、インターネット決済協議会が、大手の企業だけで、2000年にルールを決めようとしているように、大きな組織主導で、ものごとが次々と決められようとしているからだ。投げ銭は、実際に稼働するまで、私の予測では20年以上かかると思われる。現状のシステムに欠陥があるのは、明白であっても、次の仕組みが、それに乗り変わるまでに、そのくらいの時間はかかるだろう。

今、現実に求めているのは、このような大企業主導で進められる流れへ棹さそうという反逆の精神のある同志である。まだ、解放の時は遠い。簡単には、流れは変わらないのだ。その長い時間に耐えられる楽観的で底力のある人々と組みたい。それをわたしは、ウェブ豪族と呼びたい。

 今直ぐ、投げ銭を使って、コンテンツを作ろうと思うのは、大きな間違いである。だから、投げ銭に期待してその上で、何かをしようと計算している人には、登録することをやめていただきたい。あなたの期待するものは、何一つさしあげることができないことは明白すぎるからである。申し訳ないが、よそを当たってほしい。今でも、いくつかのショッピングモールが、決済を可能にしつつある。お急ぎの方はそちらへどうぞ。私の探し求めている友は、数学のできない、そろばんのはじけない、経済観念のない人々だけである。経済観念がなく、一方、私の長期的な戦略に理解がある人だけが来てほしい。

 われわれは、やむにやまれず、それしかしようがなく、経済的ではないささやかな義のためにウェブでの発信をはじめたものである。お金を取れない中で、逆境の中ですでに情報発信している人が、また、既存の問題点を既に承知しながら、先走って情報発信してしまい、苦しみと知りながら苦しみを甘んじて受け、否応なく走り始めてしまった人々と共闘を組みたいと思っている。何の経済的な支援も受けずに、情報を発信したいというただ、熱意と勇気だけでもう、船出してしまった人々とともに歩みたい。

 誤解はないと思うが、われわれは新しい経済原理を求め、その手段を探してはいる。しかし、即効性のある解決策はまだないのだ。

 来るべきネットワーク社会が、こうあってほしいという宣言は、公開した。しかし、冷静に考えるならば、その社会が訪れるまでにいくつかの屍やたくさんの血を見るたたかいを経験しなければならないだろう。そのための準備にかろうじてとりかかりつつあるのかな、という現状だ。われわれには、手にする剣も槍もまだない。動かすべき組織もない。われわれは、運営をする以前の準備をする以前の推進をする段階の産声を上げたばかりなのだ。

 既存の組織は、簡単には壊れない。恐怖の大魔王もハルマゲドンもこない。隕石も落ちてこない。千年王国は、明日にはこない。大魔人も、ガメラもゴジラもナウシカも巨神兵も来ない。ゆっくり変わっていく、変えて行くだけだ。

 繰り返すが、われわれはエンジェルではなく、修羅に過ぎない。あなたを救いはしないことを堅くお約束する。救いを求める人ではなく、自らを救おうとする人に集うことを呼びかけるものである。

 求めるものには、さらばと言おう。求めず、与える人に、ようこそと呼びかける。

 

ご注意

今回のワークショップでは、決済送受金のセキュリティなどの技術的な問題については、触れません。なぜ、投げ銭が必要なのかという、気持ちの問題にしぼって行います。冗談

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