(FAQ〜よく尋ねられることにまとめてこたえましょう) こたえを試みる人 松本功
「スパイスネット以外の決済サービスではいけないのですか?」
■現在は、SPIS-NETの決済の仕組みを使っています。 これからの問題を明らかにするために、ここでの実験で問題点や課題を 洗い出したいと思っています。最初から規模を広げて、後からいろいろ と課題ができてしまうと困りますから、ここでまず実験をします。支援 してくださる方々に、スパイスネットの会員となっていただいて、実験 をしていただくという方法です。
■別段、SPIS-NETに限定しているわけではありません。一番最初の段 階で、ご縁があり、投げ銭システムに理解いただいたのでお願いしてい ます。アコシスも、投げ銭システムに使うことは問題がないと言ってく れています。
■その他にBitCashなどのプリペイドカード方式でも問題はたぶんない でしょう。さらに、KCOM(KDDコミュニケーションズ)が開始したコ ンパックによる「ミリセント」という少額決済の新しいサービスにも打 診します。(通常は、年間、通信販売だけで5000万円から1億円以上の 売り上げが必要で、SOHOやNPOは加盟できません)
■投げ銭システム自体は、普遍的な考えなので、決済システムを選びま せん。様々な決済会社が「投げ銭」という発想を知り、サービスの一つ として「投げ銭」という仕組みを採用すれば広がっていきます。 モールと大道芸というものの関係は、どうなのか、分かっていません。
■ただし、現状では実際的なマンパワーとの問題になります。 複数のシステムで実験するには、それだけの人手が必要です。 様々な決済手段を使った場合、決済の手数料もそれぞれであり、OSが それぞれ違っていたり、どう管理するかが重要な問題となります。いく つもボタンの数があった場合、ボタンを押すときの心理的な困難度が増 してしまいますし、対応すべき事柄も倍増します。 そこまでのマンパワーを持ち得ない現状では、決済システムを稼働させ ている側の支援が必要です。それぞれの決済システムを運営している方 に投げ銭に賛同していただいて、実験を助けていただきたいと願ってい ます。具体的には人的・資金的・サーバーなどの支援です。 また、少額決済をビジネス的に成功させる必要があります。よい売り手 はよい買い手でもあります。ご支援をお願いします。
「投げ銭はいつできますか? いつから使えますか?」
■すぐにいついつです、とお伝えしたいような気にもさせれるのです が、一方でちょっと唸ってしまう質問でもあります。投げ銭推進準備委 員会のアピールの仕方に不十分な点があるからだと思うのですが、推進 準備委員会が、決済システムを実際に一から作り出せるわけではありま せん。課金システムの構築・運営することは小さい組織では不可能で す。「投げ銭システム推進準備委員会」は、様々な立場の人たちが投げ 銭システムという考え方に意義を見いだし、自らの仕事・生活環境をよ くするために、「もうひとつのしごと」として立ちあげたプロジェクト (寄り合いシェアプロジェクトといいますか)だと考えています。 賛同してくださる方々の知恵や技術や意気込みが集まり、時に専門の知 識や技術のある企業や官庁の方に加わっていただたりすることで、実現 ははやまるでしょう。
■というわけでわかりません、としか言えません。投げ銭システムの考 えかた自体は、時代の流れにも調和したものだと思います。その意味で は意外に早い可能性もありますし、そうではないかもしれません。いつで きるかではなくて、できることを少しでも無理のない範囲でやろうと 思ってみて下さるとうれしく思うのです。
「セキュリティはどうなっていますか?何かあった時はどこが責任をとるのですか」
■セキュリティのしくみをきちんと持った組織と協力してきますので、 問題はないと考えています。クレジットカードのオンラインでの使用の 問題もリアルな世界とくらべて、いちじるしく危ないということはない と考えています。
■ただ、基本的には投げ銭は、読んだ後で支払うものです。支払うかど うかはは、本人の責任です。また、買った人間の情報は、売り手までは 届きません。現在の少額決済のサービスでも匿名のまま立ち去れる仕組 みになっているとのことです。必要がある場合、話をしたい場合は、 メールでやりとりをします。やりとりをしたい場合は付加的に可能にす ればいいのです。芸人の芸を見、それになにがしかのコインを渡すのは 個人の責任においてです。
■ただし、投げ銭の基本的なあり方から外れますが、将来に何かを行う ことを予告してまだ存在しないものに送金する場合のトラブルがありえ ます。支援していたページが消えてしまった場合、あるいは、将来刊行 されるテキストにナゲセンしてほしいという要請があって、実際には消 えてしまった場合、これは、はずれたらはずれたで仕方がないとあきら めるべきでしょう。あきらめられる範囲で、投げ銭することです。 このように考えてはどうでしょうか。落語家の卵が目の前にいて、毎月 1回、料亭で夜ご飯をご馳走していたのに、大成しなかった場合、その 人に目をかけたのに、はずれてしまったとして、それはパトロンである あなたの問題です。
■また、投げ銭の大がかりなものに「投げ銀」というのがあります。こ れは、南蛮貿易の貿易船に投資をすることだそうです。これは、ハイリ スクハイリターンということです。これも、投げ銀をする本人のリスク に基づいて行うことになります。
■今、米国で、驚異的な成長を遂げている「EBAY」というオークショ ンのサイトがあります。これは、一般の人が自分のものをオークション にかけて売る場を提供するものなのですが、サービス提供者側は、利用 者間のやりとりには一切責任をとらないという方針で運営されていると のことです。あまり安全のことを心配しすぎると、少額決済が普及しな いこともあります。消費者保護の名のもと、大企業だけしか参入できな いことになります。
■パトロネージュにはそのような危険性があります。危険は、送り手が 背負うということがないと、少額決済は認知されません。私は、「一億 人渋沢敬三化計画」と名付けています。基本的には自己責任です。
■できます。ただし、投げ銭に対応した決済サービスを提供していると ころが、了解をした場合です。将来的には、スパイスネットだけではな く、さまざまなところが対応してくれるでしょうし、クレジット会社ば かりではなく、NPO銀行とか市民のための決済機関がこれからでてくる はずですから、そのような機関が了解すれば可能になります。ほとんど 問題なく決済の仕組みに入ってこれることになるでしょう。
「コンテンツにはだれでも投げ銭ボタンを付けることができるのか」
■さまざまな、投げ銭サービスを提供するサイトが出てきますので、そ れをいちいち投げ銭準備委員会が、審査すると言うことはないはずで す。 投げ銭は普遍的なものになるだろうと思います。しかしながらここで注 意を喚起しておきたいのは、それは待っているべきではなくて、実現す るように何らかの働きかけを行ってはじめて、普及するのではないで しょうか。したがって、自分のホームページで紹介して下さるなど、で きることで支援して下さることをお願いします。また、テキストフリー マーケットの実験もご支援下さい。投げ銭をして下さった方のホーム ページに赤い羽根を付ける「投げ銭赤い羽」プロジェクトを準備中で す。
「推進準備委員会は投げ銭システム全体の元締めのなるのか?」
■基本的に「投げ銭」という思いをシェアしていただければいいので、 本家本元とか、パテントを主張するつもりはあまりありません。誰で も、投げ銭システムを使っていいし、名乗ってもらってもいいのです。 ただ、少額決済を実現するまでは、それなりの共同歩調をとった方が政 府の協議会などへの圧力団体としては、機能するだろうと思います。
■投げ銭が少しずつ、世に受けいられて、投げ銭サイトがどんどんでき てきたら、どうしましょう。投げ銭可能なサイトのデータベースを投げ 銭準備委員会がわで用意すべきなのかは、わかりません。初期のNTT.JP が行っていたような「新着投げ銭サイト」などのかたちで紹介をすべき かも知れません。言いだしっぺの責任として、元締めとしての仕事はす るべきかもしれません。
「投げ銭システム推進準備委員会はいつまで続く?」
「投げ銭システムは{書評ホームページ}のためのものなの?」
■しかるべき時が来た段階で、「投げ銭システム推進準備委員会」は、 解散することになるでしょう。投げ銭システムが普遍化したとき、推進 する団体はもう必要がないからです。
■月刊アスキー6月号「インターネットソムリエ」では、「書評にたいし て投げ銭を行う」実験のやり方に疑問を感じる、とありました。実験の 対象として考えているテキストは、書評に限りませんので事実は少々異 なるのですが(書評パンチにつけた投げ銭アイコンを見てそう思われた のでしょうが、フリーマーケット実験に使うテキストは書評でないもの の方が多いです)、その指摘自体は、多くの投げ銭賛同者の方が思われ るものかもしれません。投げ銭システムは、書評ホームページを、支える ためにあるわけではありません。あくまで、オンラインテキスト全体を育て るためにあるのです。誤解をまねかないように、ドメインを別にすべきかも 知れません。
■ただし、電子テキストを売ったり、買ったりするためには、「評判」の流 通が必要です。さまざまな評判が流れていることで、だれかを信頼して、投 げ銭できるからです。この意味では、書評ホームページは、オンラインテキ ストレビューも、予定していますので、外から投げ銭を支えるグループとい うことも可能です。これも、評判のサイトは、複数・沢山あっていいわけな ので、書評と投げ銭は、独占的な関係ではありません。 *投げ銭システムは、NPOやボランティアなどの活動支援として役立つ ものとしての理解を得易いコンセプトです。その理解は的確ですが、投 げ銭システムが発案された背景には、そういった意味だけではない事情 があります。それは、テキストやイラスト、写真、占い、各種相談(法 律、バグ処理、精神的ケア、英会話などの教育)など「物」ではない 「情報やサービス」といったデジタルコンテンツを発信することによっ て、生活していくことはできないか、という問題です。これは今すぐ、 生業を成立させようという短期的なことではありません。生業として成 立するまでにはかなり長い時間がかかると思いますが、少なくとも金銭 的な助力が得られるようにしていきたいと考えるのです。投げ銭のそも そもの発想がそういうところにあったことを了承いただき、それぞれの 立場からの投げ銭システムを展開するのもよいと思います。
「誰でも運営に参加できるんですか?」
■今まで賛同してくれた人、かけ声を送ってくれた人、一肌脱ぎましょうを いってくださった方、そのような方々のせっかくの声を生かし切れていな い。様々な声を複雑な混声合唱のようにあるいは、ケチャ(バリ島の芸能) のように、組織できれば、もっとそのような声を生かして、パワーをだせる と思うが、現状では、寄り合いの話し合いをうまくつかさどる能力と時間と 確信がもてないことで、生かし切っていないというのが現状です。これは、 重要な課題になっています。事務的なことも含め多くの人が運営に携わって くださるようになるまでは、セミオープンあるいはセミクローズドな状態で の運営であったとしても、閉鎖的、専制的だと思わないでください。今回新 たに出会えた方々に改めて声をお掛けすることができるようにしたいと思っ ています。
「推進準備委員会の運営方針は?」
■これは自問ですが、どういうふうに運営していくべきでしょう。投げ銭 は、アイディアだけで何がどのように生まれてくるのか、かいもく見当がつ きません。そこから、何が出てくるのか分からない中で、どのように人々の 寄り合いを築いていったら、いいのでしょうか。投げ銭準備委員会にも、実 際に動かしている決済のシステムはないわけですから、我々の目的は、投げ 銭のアイディアを広めることと、実際の機構に組み込んでもらえるように運 動していくことです。その中で、投げ銭というものがどういうものなのか が、はっきりしてきます。
寄り合いふうに議論をすすめよう 寄り合うということは、バーチャルな村人になることが前提です。祭りや水争いの議題に参加するに は、田圃や畑を持っていて、一人前に作物を作ることができることが前提です。一人前というのは、 その人がその人なりに生きて行けているということです。特別な技能が必要なわけではありません。 最低限の能力が確認されればいいということです。これが、なかなか難しいのかも知れませんが! 村の中では、それぞれの百姓が、どんな人格でどんなパワーを持っているか、何が得意かも分かって います。ネットワークでの議論に参加するときも同様で、その人はその人なりに力を発揮すればいい のです。でも、自分を知るというのはなかなか難しいことです。 村の頑固なオヤジ・長老風に話をすると経験など問わず、だれでも、無前提に平等に参加できるとい うことではなくて、寄り合いをいっしょに作っていける人を見つけて、 つきあっていくことが大事だということです。
私自身、未熟な人間ですが、投げ銭への思いをシェアできる方と寄り合い風にプロジェクトを進めた いと思っています。続けていけば、たぶん、いいことがあるだろうといった漠然とした楽観的な予感 のもと、ゆっくりしたペースで持続していきましょう。 あせらず、じっくり、ぼちぼちと行きましょう。
なぜなら、投げ銭はささやかなことを実現する長大な夢だからです。